事務所ニュース

若年者雇用対策研修会 事務所ニュース 2006年12月

過日、ある団体主催による青少年(15歳から34歳)に対して講師依頼がありました原稿を抜
粋します。

平成18年11月6日
安藤 壽建


<雇用形態の違い>
派遣、フリーター、契約社員、嘱託社員 働き方はさまざま


Ⅰ.雇用形態多様化の社会的背景と企業社会の変革として

1.雇用形態多様化の社会的背景

 従来は、正社員が大多数を占めていましたが、企業社会の合理化や労働者意識変化を背
景として、雇用形態・雇用条件の多様化・個別化へとなっています。

 雇用形態・雇用条件から分類すると、

 ①正社員(包括契約・終身雇用・年俸制雇用)
 ②専門社員(高度知識・技術・能力・才能・感性)
 ③補助社員(一般事務・定型労働→アウトソーシング)
 ④契約社員(専門職から守衛までの多様契約)
 ⑤調整雇用社員(パート・アルバイト・臨時)
 ⑥技能職・単純職
 ⑦SOHO・在宅就労・テレワーク(通信機器を利用した関連業務)
 ⑧高年齢活用社員(定年後嘱託・シルバー人材)
 ⑨派遣社員
 ⑩請負型社員

 に分類され、また、正社員以外の②~⑩の雇用形態が増加傾向です。

雇用形態別人員比率

 雇用者は、5,407万人と、前年に比べ35万人の増加となった。このうち、正規の社員は
3.374万人と、前年に比べ36万人の減少となったが、パート・アルバイト社員、派遣社員、
契約社員等の非正規社員は1,633万人と、前年に比べ69万人の増加となっています。
(表-1)

 非正規社員の内訳を見ると、パート・アルバイトが1,120万人、契約・嘱託社員278万人、
派遣社員106万人、その他129万人となっています。(表-2)



表-1 雇用形態別

雇用形態別

平成16年(万人)

平成17年(万人)

正規社員

3,410

3,374

非正規社員

1,563

1,633 

雇用者(合計)

5,372

5,407

労働力調査(総務省統計局) 平成18年

表-2 非正規社員の内訳

内訳

平成16年
(万人)

割合(%)

平成17年
(万人)

割合(%)

パート・アルバイト社員

1,096

70.0

1,120

68.6

契約・嘱託社員

255

16.3

278

17.0

派遣社員

85

5.4

106

6.5

その他

128

8.2

129

7.9

非正規社員(合計)

1,564

100

1,633

100

非正規社員の内訳労働力調査(総務省統計局)非正規社員の内訳 平成18年
※内訳割合は、小数点の処理で合計100%となりません。

2.企業社会の変革として

 ①規制緩和と企業の再編の促進
 ②年功制の破綻
 ③コストの引き下げ
 ④国際競争の激化(低原価国)
 ⑤技術区の迅速進歩と商品の短命
 ⑥会計基準の国際化
 ⑦成果主義・業績反映の賃金等
 ⑧人員削減と増加

 があげられます。これらの社会的構造の変化によって、労働者の個人意識の確立や高
度専門の活用、独自才能の増加が発生し、自由時間の希求や幸福追求の多様化につな
がりました。

 資料 - 雇用形態の多様化・個別化・・労働白書H12
        雇用形態の多様化の進展・・労働経済白書H15

Ⅱ.雇用形態からの分類(内容と特徴)

1.正社員
 包括特約、終身雇用(雇用期間を定めていない)の常用的社員をいいます。

2.派遣社員

 派遣社員と呼ばれる社員が近年増え続けています。派遣社員を正確に表現するならば、
労働者派遣法により「自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、かつ、他人の指揮
命令を受けて、当該他人のために労働に従事させる」と定義されています。つまり、労働者
派遣の事務所に所属して派遣される社員をいいます。

(1)派遣期間などの条件→1年契約で3年を上限

(2)新卒派遣が増大している

(派遣社員を選んだ理由)
 ・高校や大学を卒業したばかりで社会経験や職務経験がほとんどないため、派遣会社で
  ビジネスマナーや希望する職種の基本的知識などを身につけることができる。
 ・登録しているだけで派遣元が仕事を探してくれる。
 ・自分の労働時間・職種・勤務地を選択できてよい。

(3)派遣社員が不満を感じている点

 ・労力が無い社員を保護するための便利的に利用されている。
 ・安定面や収入・待遇面で正社員に劣る。
 ・派遣社員から正社員への移行を希望していたのに契約切れで終わりになってしまった。

(4)賞与・退職金がない。

(5)自給の目安
   派遣社員の自給は業種により異なるが、パートタイマーの約2倍ほどです。

(6)派遣先が常に変わっているケースが多いので安定した職務が望めない。

(7)職種によって異なるが、業務内容の幅や深さを高められない。

3.契約社員

(1)契約期間を定めている
   契約社員は、雇用期間を定めているのが一般的です。
   (例)○月○日 ~ △月△日というように雇用期間を定めます。

(2)契約期間を定めない契約(非常勤形態)
   契約期間を決めず週3回の勤務日としたり、一日の勤務時間を9~16時までとするな
   どの、非常勤形態の契約をしています。

(3)専門知識:技術を持つ経験者としての契約
   正社員では対応できない、かなり高度で専門的な知識・技能・技術・経験者と雇用を
   契約しています。
   (例)新商品開発プロジェクトのメンバーや設計デザイン、ソフト開発者など。

(4)在宅勤務
   在宅勤務とは、会社に出勤することなく、業務そのものを自宅で行うといった制度です
   。
   ・今後増えることが予測されています。
   ・在宅勤務の場合では、指揮命令権は会社にあります。
    労働時間の管理等は事業主の責任となります。
   <注>「仕事を完了させるといくら」という契約 → 請負契約となります。
   (例)子育て中の主婦や会社にしばられたくないと希望する人等。

(5)その他の契約社員
   業務内容は正社員等の一般社員とほとんど同じです。しかし、雇用期間を定めていま
   すが、何回も契約更新を繰り返していれば、一般社員と同様に会社は扱わないといけ
   ません。


請負契約と在宅勤務の違い
  請負契約(自営業者) 在宅勤務(契約社員)

労働時間

管理なし

本社に報告させ本社で管理

賃金

業務内容・レベル・量などで算定

労働時間・勤務日数などで算定または、賃金の基本的部分が固定給で生活保障可能な程度であること

経費

通信などの経費は請負金額に含まれている

通信費の経費を会社が負担

事業の可否

数社と同時契約できる

他社の仕事はできない

備品

パソコンなどは自前

パソコンなどは会社のものを無償で賃与

4.嘱託社員

 一般的に嘱託社員とは、定年を迎えたのちに再雇用された社員をいいます。但し、会社に
よっては、定年を迎えていない50代の人を嘱託社員と呼んでいる場合もあります。これらの
呼び方は、その会社の就業規則等に定義していることが通常です。

 ここでは60歳定年を迎えた社員について説明します。

(1)いろいろな定年延長制度があります。
 (H18.4.1から段階的に最終は65歳まで)
①定年延長 → 60歳定年を65歳までとする場合
②勤務延長 → 定年年齢に達したものを退職させること無く引き続き一定期間延長して働
           いてもらう場合
③再雇用制度 → 定年になったら一旦退職してもらい、その後あまり期間を空けずに再雇
             用する制度

(2)エキスパートとして、若手の育成(役割)
  (例)生産部門で長く勤務してきた中高齢者のAさんは技術や技能のある「職人」として嘱
     託社員として雇用されながら、また、若い技術者の指導者として援護している。

(3)会社側からみると定年時期を境として給与額を下げることができ、人件費を低く抑えら
   れます。

(4)長い職務経験により豊かで知識のある人または、その人なりの経験があり、会社が変わ
   ると新しい会社の仕事にマッチできないこともあります。

(5)働く意欲と能力があっても高齢による労働力の低下が避けられなく、その労働力の低下
   をこまめに事業主と社員とが話しながらマッチした働き方をすることがベストです。

5.フリーター

 2000年度版労働白書によると「年齢が15~34歳で、勤め先での呼称がアルバイトある
いはパートであり、男性は継続就業年数が1~5年未満の者、女性は未婚で仕事を主にし
ている者」と定義しています。この定義は無業者で家事も通学もしておらず、アルバイトや
パートの仕事を希望している者も含む形に拡張されています。

 この定義によれば、2000年は、フリーターと呼ばれる人は193万人と推定されています。


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